なるべくすぐに使える内容を、ご紹介していきます。
目次
営業会議のよくある間違い
今回は、「営業会議の進め方について」です。
営業会議の具体的なやり方・進め方ですが、多くの企業さんではこんなやり方ではないでしょうか。
※「部長」のところは、自社の状況に合わせて社長や課長に読み替えてください。
- 部長が司会進行する。→緊張感が高まる。
- 原則、部長が話す。→営業マンが自由に発言しにくい雰囲気ができる。
- 営業マンの売上進捗について、説明を求める。→営業マンは、求められたことだけ報告する。
- 売上進捗について、部長が鋭い突っ込みを入れる。→営業マンがシュンとなる。
- 営業マンの行動面について、改善策を求める。→他の営業マンは、自分に関係ないので、ほとんど聞いていない。
- ときには、声を荒げ、営業マンに気合を入れる。→営業マンは、次回怒られないためにどうしたらよいか、自ら考える。
- 問題点について、意見を求める。→営業マンは、口を閉ざす。
- 解決策について、意見を求める。→営業マンは、無難な意見に「以下、同文」という答えを出す。
- 部長自身が考える「いい話&ためになる」を話す。→営業マンは、過去の話と思って、真剣になれない。
- 特に、議事録もないので、何をしたのか、記憶が定かではない。→次回も同じような会議を繰り返す。
少しおおげさかと思われますが、現場ではよくある風景です。
私も、過去にこのような営業会議をたくさん見てきました。
さて、営業会議の進め方としてどのように変えていけばよいでしょうか?
私たちの考える「正しい営業会議」では、以下のステップで会議を運営してもらっています。
正しい6つのステップ
- チェックイン
- 前回の議事録確認
- 事前に決められた議題の進行(情報共有、議論、意思決定など)
- 議事・宿題の整理・確認
- 議事録・次アクション動画の作成
- チェックアウト(一言感想コメント)
以下、一つずつ取り上げて、どのようなやり方をしているかご紹介します。
チェックイン
会議に参加するための儀式のようなものです。
「いきなり意見を出せ!」といっても、なかなか出てきません。
冒頭に、一人一言ずつ今の気持ちを話してもらう時間が、このチェックインです。
最初の切り出し方としては、
「会議を始めます。チェックインをお願いします。どなたからでも結構です。今の気持ちをお話しください。」
といった感じです。
「今の気持ちをお話しください。」といっても、なかなか自由に話がしにくいようでしたら、テーマを決めて話してもらうのも1つです。
例えば、
「最近、一番笑った話を30秒以内で紹介して下さい。」
「最近、うれしかったできごとを30秒以内でお話しください。」
「社内外問わず、最近すごい仕事するなぁーと思った人のことを話してみてください。」
などでも、いいと思います。
会議の冒頭は誰しも緊張しがちです。気楽にやるのが一番いいです。
チェックインの効果としては、以下が挙げられます。
- 参加者の状況がわかる
- 話を聞く雰囲気を作ることができる
- 口を動かすので、発言のウォーミングアップになる
- 笑いが起き、リラックス・オープンな空気を作ることができる
時間をかける必要はありません。
毎回、さくっとやっていけば、みんなの習慣になっていきますので、意見を述べる文化が生まれていくように感じます。
前回の議事録確認
当たり前のことですが、けっこうできていないです。
※そもそも、議事録がない、、、。という方は、一番最後のところを確認してみてください。
議事録をすべて読み上げる必要はありません。
要点をピックアップしながら、こんな話あったなー!という共通の理解が大切です。
前回の議事録を確認することで、
- 前回の会議のやり取りを思い出せる
- 前回の会議で決めたことを全員で共有できる
- 今回のチェック項目の見落とし・モレがなくなる
といった効果が見込めます。
人は、忘れることのできるすばらしい動物です。振り返って、自分たちの行動を見つめ直すことは重要ですね。
事前に決められた議題の進行
ここまできて、本題です。
よくある質問として、
「何を議題にしたらいいのですか?」
というのがあります。
議題のことを、英語で「アジェンダ」などと呼ばれたりして、よくわからない方も多いのではないでしょうか。簡単に言うと、会議で話し合いする事項やテーマのことです。
営業部門の場合は、以下のようなテーマが議題にあがりやすいと思います。
- 先月の売上や利益の進捗確認
- 顧客別の営業実施内容の確認
- 今月のスケジュール確認や共有
- 営業マン個別の売上対策の共有
どうでしょうか?
もし、このようなことが議題にあがるようでしたら、要注意!!
3大NGワードは、「進捗把握」・「確認」・「情報共有」です。
なぜ、このワードがNGかというと、会議の場でなくてもできるからです。シンプルにこの理由しかありません。
なぜ、メールで済む話を、わざわざ会議の場に持ち込まないといけないのでしょうか?ここの考え方を変えない限り、生産性は高まりません。
では、本来の成果を高めるために、必要な議題の例を紹介します。
- 重要クライアントの受注対策
- 新商品の拡販対策
- ライバル会社の新しい施策への対策
- 新しいイベントを成功させるための対策
- 直近の成功事例の共有と対策
成果を出すためには、「対策」が必要です。だから、キーワードも「対策」が出てくるはずです。具体的な対策が打てないと、良い議題ではないとお考え下さい。
議事・宿題の整理・確認
さて、本題が終わったら、議事の整理です。
ここまで、どんな話し合いが展開されたか、ホワイトボードを使って、箇条書きで整理します。
ホワイトボードには、会議名称・会議の目的とゴール・参加者氏名・日時・場所なども書いておきましょう。
次に、次アクションとして決めたこと(宿題)も同時に整理していきます。
次アクションで重要なのは、「誰が」「いつまでに」「何を」するのかが明確かどうかです。
ホワイトボードに書かれた内容について、全員で同意が取れれば、それでOKです。
よくある質問として、
「ホワイトボードがない場合はどうしたらいいですか?」
というのがあります。この質問には、
「ホワイトボードを買いましょう!」
とお答えしています。(笑)ぜひ、買ってください!
議事録・次アクション動画の作成
議事録は、上記のホワイトボードをカメラで撮影して、写真データをメールで配信すれば完了です。
会議終了後30分以内に議事録を配信できる一番簡単な方法です。
もちろん、文書にすることもムダではありません。
会議の内容に応じて、使い分けしていきます。
次アクション動画は、上記の宿題について、担当者が自分の言葉で説明するところをビデオ撮影することです。
今では、携帯電話やデジタルカメラでも、簡単に動画撮影&動画データ配信ができます。
自分の言葉で説明した内容を確認できれば、実際にアクションを起こすときに勘違いやレベル違いを排除しやすくなります。
こういうITの活用もどんどん取り入れていきたいところですね。
チェックアウト
最後に、全員から一言感想をもらって、締めくくります。
チェックアウトでは、このような意見が出てきます。
- 会議を通して気づいたこと
- 日頃できていないこと/やっていないことなどの反省点
- 会議では出てこなかった(発言できなかった)問題意識
- 次アクション(宿題)の意義や次アクション(宿題)への責任感(ここまでやらなきゃ)
- 次アクション(宿題)に取り組む前向きな気持ちや自覚(ここまでやって当然)
チェックアウトはやり続けると、全員から素晴らしい意気込みを語ってくれるようになります。
また、次回以降の議題のヒントが参加者の本音ベースの声から出てきます。
もし、チェックアウトをやっていないのであれば、大きな損失です。ぜひ、やってみてください。
まとめ
ということで、営業会議の進め方について、簡単に紹介しました。
進め方を変えるだけでも、参加者の気持ちは大きく変わります。
ぜひ、会議が終わった後に、「よっしゃ、やったろう!」「なるほど、これをやろう!」という気持ちにさせるような会議の内容にしていってください。
ここまで読んでいただきまして、もっと詳しくやり方を学びたい方のために、「営業会議の教科書」という無料の情報を用意しました。興味がある方は、一度内容をチェックしてみてください。
「営業会議の教科書」でご紹介する内容は、
- 会議の目的はなにか?なんのために開催するのか?
- そもそも営業戦略や営業計画はどうしたらいい?
- 営業資料は、誰がどうつくる?
- 営業会議の議題はどうやって決めるのか?
- 営業マネジャーがPDCAを回すためのコツとは?
- 報告の場や情報共有の場はどうすればいい?
- 強い営業部隊を作るためには?
といった内容です。すべて、無料で公開しています。