私がコンサル現場や営業研修・マーケティング研修にて、よく使う事例は、コンビニ業界です。
コンビニ業界を扱う理由として、以下が挙げられます。
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1)コンビニを知らない人・使っていない人はほとんどいない。ほぼ全員が、体験している。(地域によっては、コンビニが少ないことに留意。)
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2)身近な存在で、イメージしやすい。品揃えもだいたいわかっている。
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3)最近の商品情報・新しい取り組みについても、一部の方が知っている。グループワークしたときに、勝手にメンバーに説明してくれる。
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4)あの手この手で、いろんなことをしていくので、ケーススタディとしても使いやすい。(こちらの都合)
ということで、今回はセブン-イレブンの事例を取り上げ、どんなケーススタディができるのかご紹介したいと思います。
■現状分析その1
まずは、セブン-イレブンの店舗売上と店舗数をチェックしてみましょう。
国内のチェーン店の売上です。平成24年度で、3.5兆円!さすが業界トップですね。
店舗数も、15072店!ここのところ、かなりハイペースに出店しています。特に、未出店エリアを開拓していっており、今年度中には、四国を制覇するようですね。
1店舗当りの売上・粗利などを整理してみました。2012年度の実績です。あくまで平均ですが。1日の売上は、66万8千円。店舗によって、格差は大きいでしょうが、平均以上売っていれば、なんとかやっていけそうですね。
■現状分析その2
次に、売上が伸びている原因を分析してみました!
大別すると、以下の2つです。店舗が増えれば、売上が伸びるのは当たり前です。しかし、コンビニの場合、たくさん出店しすぎていて、市場は飽和状態と言われています。当然、増えるだけではなく、閉店していくところもあります。売上をしっかり伸ばしていくためには、既存店舗の売上アップが重要です。その取り組みで、重要視しているのが、プライベートブランド商品なのです!
■プライベートブランドについて
プライベートブランドとは、「小売店・卸売業者が企画し、独自のブランド(商標)で販売する商品」のことです。一般的に、PB商品と呼ばれているものです。
プライベートブランド – Wikipedia
反対に、既存のメーカー商品のことをナショナルブランド(NB商品)と呼ばれています。
PB商品のよいところは、なんといってもNB商品よりも販売価格が安いのに、利益率が高いということです!
セブン-イレブンは、このPB商品の中でも、品質を高いものをあつめて、「セブンプレミアム」というブランド名で販売をしているわけです。
一般的なPB商品は、NB商品よりも、「価格が安く」・「品質も同等以下」であることが多いです。
しかし、「セブンプレミアム」は、違うのです。「価格は一般的なPB商品と同じ」・「品質はNB商品と同等以上」を目指しているのです。
また、「セブンプレミアム」の中でも、「品質は専門店と同等以上」・「価格はNB商品より高め」という新しい分野を開拓すべく「セブンゴールド」というブランドを開発しました。
※販売当初は、「セブンプレミアムゴールド」でしたが、最近は「セブンゴールド」となっています。
■セブンプレミアムの取り組み
さて、「セブンプレミアム」の売上推移を見てみましょう。※2013年度以降は、計画値です。
なんと2年後には、1兆円!を目指しているのです。
ということで、セブン-イレブンの今後のPB商品の取り組みについて、みなさんならどのようなことを考えますか。
ちなみに、テレビ番組の1コーナーで、「帰れま10」というのをご存知でしょうか。
飲食業などのメニューの中から、人気トップ10を当てるまで帰れないという企画です。
この番組で、セブン-イレブンが取り上げられていた時のトップ10のメニューが下図となっています。
1位に輝いたのは、「セブンゴールド」の「金の食パン」です。
また、9位にも、「セブンゴールド」である「金のハンバーグステーキ」がランクインしました。
コンビニで、これらの商品が売筋にランク・インしている理由は何でしょうか。
今後、「セブンゴールド」というブランドは、どのようにそだてていくべきでしょうか。
続きをまた書きたいと思います。