こんにちは、社員のやまだです。
昨年から、さりげなく教育業界に対して色々調べたり記事を注意して見たりしていたのですが、先日「ベネッセがアメリカの『Udemy』(オンライン教育プラットフォーム)と業務提携」・・というような日経MJ新聞の記事を見つけました。
そちらから、少し気になって調べたり考えてみたことを書いてまとめてみました。
目次
教育動画プラットフォーム『Udemy』とは?
・技能や知識を生かして教えたい人が講師として映像講座を公開することで、学びたい人と結びつけるオンラインの教育プラットフォーム。
・アカデミックな講義を提供するサービスとは違い、『Udemy』はITスキル・資格といった実践向け・社会人向けの講義を提供する。(特にプログラミングなどのIT系のコースが多い)
・好きな時に好きな授業を受けられる
・米Udemy社は2010年設立。全世界で600万人のユーザーが利用。2014年5月時点から約1年のうちにユーザーが倍に。
・英語を中心に、11の言語に対応。
Udemyの良いところ
・第1回の講座のビデオを無料で視聴できる
・講座の価格は自由に決められ、無料コンテンツもある
・ストリーミング型・ダウンロード型のいずれか
・コースに備えられているテキストや、動画自体をダウンロードできる。
・どこまで進んだかの進捗を、ユーザ自身で確認できる。何度も見返すことができる。
・受講人数、講座の評価も表示されている→選びやすい。
多くが無料ユーザーだが、そのうち15%が有料コースにも手を出している。
●有料コースの場合
講師が受講者を独自に集めた場合、Udemyは料金の3%を手数料として得る。
Udemyの既存ユーザーが受講した場合、料金は講師とUdemyが50:50で折半する。
日本版Udemyができる
ベネッセ・コーポレーションが米Udemy社と業務提携。これまでの歴史と資本を武器に多様化する学びのニーズに応える。
2015年4月下旬にオープン予定。
子ども~社会人・シニア層まで、全世代対象。
最初は約300コースを用意する予定。
学びとしては不適切なコンテンツも存在している中、ベネッセの品質ガイドラインできっちり精査し、厳選された安心・安全なコンテンツを提供していく。
②『Udemy』が設立当初に取り組んだこと
サービスの最初のつまづき
教授・有名な講演者・著作のある人たちにコース作成を説得したが、「Udemyを使ってもらうこと」でなく「オンラインのコースで教えてもらうこと」が難しかった。
→オンラインで教えるメリットが、馴染みも無い上に、成功事例も無いので伝わらなかった。
1.まず最初のコンテンツを用意する
既存の動画コンテンツの所有権を合法的に得て、約150コースを掲載。
※クリエイティブコモンズ
…著作物の適正な再利用の促進を目的として、著作者が自らの著作物の再利用を許可するという意思表示を手軽に行えるもの
アメリカ・海外で情報の最先端のサイト「TechCrunch」、「Mashable」や他のブログから情報発信を続けた
→約10,000人の初期ユーザー
→社会的な信頼・地位
→約1億円の資金 をGET!!!
それを元手に、コースを作ってくれそうな人をSkypeなどで説得しまくった。いくらか作ってくれる人はいたものの、まったくサイトの成長には貢献せず。
(中には自称魔女が黒魔術コースを作ったりも…)
2.最初の成功事例を作る
・投資してくれた投資家の人たちに説得
「スタートアップが投資を集める方法」というコースを作成。それが大ヒット!
・マーケティングと人事採用に関するコースも作り、こちらも成功。
→約300万円の売上が生まれた。
3.成功事例を売りに講師を再説得
既にコースの説得にあたった何かしらの専門家たちに再び説得し、コースを作ってもらえるようになる
営業もしつつ、口コミもどんどん広がり
→売上が出るから良質なコンテンツを作る人がどんどん参加してくる
→質のいい教育が受けられるのでユーザーも増える
→客がくるから更にコンテンツを作り続ける
という好循環が生まれ、ユーザーが増えていった。
4.マーケットプレイスビジネスにおける教訓
・まず最初にコンテンツを供給(用意)する。でないとユーザーは獲得できない。
・早い時期に成功事例を作ること。1つか2つで十分なのでそれに集中しましょう。
・そのあとはうまく行った人が他の人を連れてくるようなサイクルを作ろう。
・まず最初にコンテンツを供給(用意)する。でないとユーザーは獲得できない。
・早い時期に成功事例を作ること。1つか2つで十分なのでそれに集中しましょう。
・そのあとはうまく行った人が他の人を連れてくるようなサイクルを作ろう。
③『Udemy』の日本での今後の展開
現在「オンラインで有料の教育を受ける」の普及は進んできていはいるが
若年層がメインで、今後少子化で減っていくことが予想される
長時間拘束されて受講する様なものが多く、軽く学べるものが少ない。ネットに対してライトな層にはなかなか普及していない
→市場が未成熟の状態。
日本でのユーザーを増やすために、まずは
・動画1つあたりの時間を短くする
・少量でも内容が完結するように作る
・より多くのユーザーの興味を引き、観てもらい、シェアしてもらう
↓↓↓
安定した売上を作るために、リピーター・ファンを増やすことが最終的に大事。
軽いものは入り口として設け、濃い内容のコンテンツも充実させなければならない。
まとめ
・マーケットプレイスビジネス(インターネット上に存在する物の売り手と買い手が双方自由に参加できる取引市場)においては、まず最初にある程度商品を取扱、信頼を得なければいけない。
・早いうちに、収益を得る成功事例をつくっておく必要がある。
敷居を低くして、まずは消費者に知ってもらう。そして、口コミをしてもらえるような良質な商品を広めてもらう。
・日本では、市場が未成熟であるので広めるためにまず間口を広げるために「サービスを知ってもらう」「まずは触れてもらう」から始めるべき。